2012年7月16日月曜日

書を捨て、山へゆこう




長く、ひどく長い6月がようやく終わった。
一体誰だ? ジューン・ブライドなんて流行らせたのは。
週末はブライダル撮影。平日は夏休み前の幼稚園撮影ラッシュでひどく忙しかった。
式場は雨が降ったり晴れたりで、露出がすぐに崩れるし、
幼稚園は幼稚園で各種イベントで手痛い目にあった。
ボディー・ポイント撮影では絵の具でシャツに落書きをされ、
プール撮影ではあやうく水に沈められそうになった。
キャンプ・ファイアーでは火傷しそうになった(これは僕の不注意)
全くもって久し振りにあっという間に通り過ぎた一ヶ月であった。
ようやく仕事も一段落し、深呼吸して僕の周囲を見渡せば、
随分とやり残したことが多かったように思う。
手帳に日々綴っている日記も空白が目立ち始め、連載中の原稿もまるで進んでいない。
10月を目処に執筆中の長編も殆ど手つかずという有様である。
オマケに貧弱なノート・パソコンは
日々蓄積される使い道のない写真データでメモリが満タンで動かない。
今此処で、自分にとって何が優先順位が高いのか振り返っておかなければ、
このままずるずると進んでいきそうである。


閑話休題。


唐突ではあるが、登山である。
今僕の中で最もホットでナイスな山登りを実行しようと思う。
と言うのも昨日、久々に手帳の年間目標ページを紐解いてみると、
どうも今期の僕はアウトドアに精を出すようで、二月に一度の登山、
ハーフ・マラソンへの参加と記載されてあった。
ハーフということと、参加時期を書き残していないことを考えると、
マラソンにはさほど興味がないように思うが、
登山に関してはきっちりと二月に一度と記載されてる。
年間を通して6回の登山。今はもう7月なので、
計画通りに事を進めるとなると、月に一度は何かしらの山に登ることになる。
当時の僕(昨年の冬のことだ)がどんな未来を想定していたのか、
今となっては闇の中であるが、現在進行形の僕は、
酒と煙草とコーヒーが趣味のまったくのインドア人間である。
こころらで舵を切り替えて、今こそアウトドア人間にならなければ!
25歳――
年齢的にも日常に運動を取り入れなければボディ・ラインが崩れかねない年齢である。
それに日々のストレスを発散したい気もしているし、一石二鳥である。

登山と言えば、一昔前に山ガール(森ガールだっけ?)が巷に流行り、
登山を行う若者が増えているらしいが、それも今はブームを過ぎ(本当か?)、
こんな真夏に登山をやるような人も居ないだろうから、
こうして心おきなく登山宣言出来るのである。
もし今現在が登山ブームの真っ直中であれば、
恥ずかしがり屋の僕は絶対に山なんか行かないだろうし、
単独登山だから随分と寂しい思いをするはずである。
ブームが過ぎて心底良かったと思っている。

さて、登山することが決まったならば、目標となる山の選定に移らなければならない。
僕は日本生まれの日本育ちなので、順当にいけば富士山を目指すわけだけれど、
初心者がいきなり富士山に挑戦するのは随分とおこがましいような気もする。
富士山の方だって、素人が散歩がてら登頂に来られては迷惑だろう。
それに、如何なる山にも危険はつきものだから、軽い気持ちで計画を立ててはならない。
以前僕の友人が、山へ撮影に行った際、帰り道が分からず迷っている内に深夜になり、
ライトを持っていないが為に、カメラのフラッシュで夜道を照らし下山したという話も聞いている。
そうなっては恥ずかしいので、自分のスペックと相談した山の選定と、
必要最低限の登山用品を調達しなければならない。

最初に登るとすれば、二上山か金剛山あたりだろう。
別段この山を舐めているわけではないのだが、書店のガイドブックには、
女子でも登れるお気楽登山とデカデカと書いてあったし、
インターネットで調べてみると、それは山というよりは丘だ、
なんていう書き込みすらあったほどである。
実態は不明であるが、それなら僕も登れそうであるし、
登山用品も最低限で良さげである。
地図・バックパック・コンパス・ライト・救急セット・おやつ。
これくらいで十分であろう。
トレッキング・シューズの変わりにマラソン・シューズで完璧なはずだ。
僕の父は根っからのアウトドア思考なので、家にはアイゼンや多機能ナイフ、
ストックやヘッドライト、果てはシュラフも幾つもあるのだけれど、
二上山にそんな装備で行く方がなんだか恥ずかしいような気もするわけである。

丘のような山をスキップで散歩し、気楽に写真を撮りつつ、
パーコレーターでコーヒーを淹れる。なんだかとても素敵な計画だ。

次週、気が変わらなければ山の写真と共に、感想なんかが書けたら良いな、
と今はぼんやりと青写真を描いている。

ソンナコトヨリゲンコウカケヨ……
























追伸――

メリケン画廊の『ポートレート展』にお越し頂いた方々、どうもありがとうございます。
久々の写真展と慣れないトーク・ショー(あれが果たしてショーと呼べるのか)
のせいでいささか緊張しましたが、大変楽しいイベントでした。
僕の方は、仕事があって途中で抜けることなり、
参加者や閲覧者の方々と殆ど交流することが出来なかったのが残念でしたが、
それでも参加出来て良かったです。
ギャラリーは職場の近くなので、機会があればまた参加したく思います。





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